初桜酒造について
般若湯について
皆さんは、『般若湯』(はんにゃとう)という言葉をご存知でしょうか?
昔から、多くの物語に登場し、歌舞伎や落語などにも語り継がれる『般若湯』。
厳しい密教仏教の世界のみならず、仏教信者は「五戒」といわれる基本的な戒めがあります。
- 不殺生戒(ふせっしょうかい):生き物を殺してはいけない
- 不偸盗戒(ふちゅうとうかい):他人の物を盗んではいけない
- 不邪淫戒(ふじゃいんかい):淫らな男女関係を作ってはいけない
- 不妄語戒(ふもうごかい):嘘をついてはいけない
- 不飲酒戒(ふおんじゅかい):酒を飲んではいけない
しかし、お酒には良くない事だけでなく、明らかに生活や体に良い部分もあることが知られておりました。
弘法大師様が残された『御遺告』(ごゆいごう)の中にも、
「塩酒(塩を酒の肴とし飲酒すること)一杯これを許」とあります。
また「酒はこれ治病の珍、風邪除けの宝なり。治病の人には塩酒を許す」ともあり、日本酒に塩や梅干を入れて飲んでいたようです。
現在も、夏の避暑地して多くの観光客が訪れる高野山ですが、当時の高野山の冬は非常に厳しい寒さであったことが想像されます。そんな極寒の冬場には、一杯の日本酒が僧侶たちの心と体を温めたことでしょう。
明治時代までは、女人禁制。居住することすらも許されない修行の地であったと聞く。しかし、その頃でも、馬に酒樽を担がせて、高野山に日本酒を収めたという記録もあるようだ。
真田幸村(信繁)の流配の地、紀州九度山はそんな高野山の入り口にあたる。
そして、その九度山と紀ノ川を挟んで対岸に位置するのが、紀州かつらぎである。
初桜酒造直営店のご案内
初桜酒造では、いつでも当蔵の地酒をご購入いただける直営店を併設しております。
店内には、当蔵で醸造される日本酒、地酒、般若湯、紀州本みりん、フルーツ酒などを、展示販売しております。店舗では、インターネットSHOPよりも、お買い得な価格設定になっているものも多数あります。また、お車を運転なされない方には、試飲のサービスも行っております。お気軽にお声をおかけください。
GoogleMapの情報
初桜酒造の歴史
かつらぎ山系の伏流水が汲み上げられる、蔵の井戸
毎年、蔵元直々に杜氏と仕込まれる日本酒の仕込み風景
仕込まれた酒米たちが、麹の力で醸す日本酒の様子
創業慶応二年、紀北の水田地帯は恵まれた気候と水により多くの庄屋が酒造りを競う、紀州一の酒造地帯でありました。紀ノ川の水運にも恵まれ、京阪神、瀬戸内をはじめ、遠くは江戸(東京)まで運ばれ、その名は全国津々浦々に聞こえておりました。
ここ、かつらぎの地でも最盛期には16軒の酒蔵が東西に軒を連ね、冬の寒風をついて、酒を仕込む仕込み唄が、町中に朗々と響き渡ったものでした。
しかし、大手酒造メーカーによる工場での管理された日本酒醸造が主流となり、自然に任せた地酒の製造は、時代に取り残され、かつらぎの蔵元は、とうとう初桜酒造のみとなってしまいました。
当社主屋を旧大和街道側より望む。今となってはこんなに細い路地ですが、昔は馬を曳き多くの人が往来する街道筋でした。
平成8年10月1日に施行された「文化財保護法の一部を改正する法律」により、保存及び活用が特に必要とされる文化財建造物を、文部科学大臣が文化財登録原簿に登録する「文化財登録制度」が導入されました。この制度の下、登録された「登録有形文化財」には、このプレートが国から交付されます。写真は、当社主屋のものです。